今日の本

  • 『イコノロジー:イメージ・テキスト・イデオロギー』ミッチェル
  • 『感性論―エステティックス 開かれた経験の理論のために』岩城見一

ミッチェルはこの前の学会をきっかけとして読み始めた。今日で一通り目を通す。難しい。個人的には論理の飛躍もあると思うが、卒論に使えそうなアイディアなどもあったので参考になったのではないかな。ただ一回では到底理解できない。イコン、マルクスもしくはマルクス主義イデオロギーの関連性などは面白かったが卒論でそこまで突っ込むと泥沼にはまりそうで怖い。
岩城教官の本はこれは本当に丁寧に書かれ、面白い。僕がこの本を購入したのは二回のときだったが、そのときには何が書かれているのかまったくわからなかった。授業も正直何を講義しているのかまったくわからない時期が続いた。しかし、それは本当に突然のことだったけれど、わかるようになった瞬間があったのだ。もちろん教官の言っていることすべてがわかるわけではなかったけれども、あの時は本当に感動した。この本もわからない部分は当然ある。でも、わからないなりにその考えに身をおいてみようという気にさせてくれる本だと思う。論旨の筋道も丁寧に丁寧に、という感じで進められている。専門がカント、ヘーゲルなどドイツ哲学系なのでそこら辺の知識があったほうが理解度は深まるだろうが、そうでなくても充分に面白い。また、僕がこの本を好きな理由として岩城教官自身、自らの著作の問題点を意識し、独断的に陥るのを避けようと常に意識しているところだ。幅広く使える本だと思う。