無題

ジラール『欲望の現象学』について

ジラールによれば、欲望というものを説明するのには、欲望する主体と欲望される客体ということではなく、主体と客体の両方に働きかける媒介の存在を考えなければならない。主体は媒体を通し、客体を眺め、客体には媒介を通じて付加価値のようなものが賦与される。欲望する主体、欲望される対象、媒介、この三つの関係が、ジラールの「三角形的欲望」を形成する。そして最終的には主体は対象を求めるのではなく、媒介との同一を目ざすようになる。

一応の簡単なまとめ。

ジラールの論で問題なのは、媒介がどのようにして与えられるのかについての言及がなされていないということ。

それを補遺するのがマートンか。

他に関係がある人間としてグレゴリー・ベイトソンベイトソンは『精神の生態学』において情報や差異の概念についても言及しているはず。