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- 出版社/メーカー: 松竹
- 発売日: 2005/08/27
- メディア: DVD
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小津安二郎監督。とりわけクライマックスというようなシーンはなく、淡々と状況を積み上げている。そうした状況を強調するのが笠智衆の極度に感情を抑えた演技である。このとき、笠はまだ40歳くらいということには驚く。
尾道から汽車で東京へと上京する老夫婦。「汽車ができて東京も近くなった」という言葉が最後の場面になってくると「東京は遠い」という表現になる。これは東京で暮らしている息子・娘夫婦から受けるそっけない仕打ちによる心的な距離の変化とも連動するものだろう。
最後のシーンでは原節子と笠智衆の会話がカメラ目線でショットが切り替わりつつ行なわれるのだが、あれはリヴァース・ショットに入るのだろうか。映画の技法についてはチェックしておくこと。