サハラ―ジル・ドゥルーズの美学 (叢書・ウニベルシタス)

サハラ―ジル・ドゥルーズの美学 (叢書・ウニベルシタス)

かなり読みにくい。その原因の一つとして日本語を読んだときに、原書でどのような言葉が使われているのかを想像するのが難しいことが挙げられる。

内容としては、ドゥルーズが取り上げている具体例―絵画や映画―を中心にドゥルーズ美学、感性論を明らかにしていくもの。とりあえず、ドゥルーズの著書のどこにどのような概念が現われているのかということのマッピング、整理のためには便利なので、それをとりあえず中心にして読み直すことにする。



眠狂四郎といえば、柴田錬三朗が『大菩薩峠』の机龍之介に影響を受けて作り上げたキャラクターであり、その出生の設定はあらゆる宗門や民族といった共同体からはじかれる私生児的なもので、それまでの大衆小説の勧善懲悪的、王道的剣客ヒーローに対するアンチヒーローである。

この本には、大衆小説とはどのようにあるべきか、という柴田自身の考えが述べられている章があり、そこでは柴田が『モンテ・クリスト伯』や『ハムレット』などを参考にしていることを告白している。もちろん、それらを参考にしているからといって、作品それ自体の価値が下がるわけではないのだが。
眠狂四郎といえば、やはり大映市川雷蔵主演の作品だろう。京都文化博物館にあるかもしれないので、できることならまとめて見てみたい。