脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)

脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)

脳、脳神経とそれらが損傷したり、打撃を被った際のボディイメージ(身体像)の変化、認識の変化についての本として読み替える。
ラマチャンドランは一時期―といってもさほど前のことではなかったように思うが―話題になった覚えがある。やはり脳関係の話で、クオリア茂木健一郎氏絡みだったような気がする。
序は先日挙げたオリバー・サックス。顔認識と情動の問題が興味深い。この二つが密接に結びついて私たちは生活しているが、このつながりが切断されてしまうことで、顔の識別は可能であるが、身近な人間が別の人間になりかわっているという妄想が発生する。これがカプグラシンドロームと呼ばれる症状である。さらに本文中で挙げられているこの症例を発症した人物は、時折「自分」の存在さえも疑うまでになってしまっているのである。

顔と情動の問題はドゥルーズもシネマ1でクローズアップの問題と絡めて言及していたはず。きちんと調べておくこと。