今日の音楽

 『My Funny Valentine』(Chet Baker)
 チェット・ベイカーの声は不思議な声だ。写真で見る顔とは違い、意外と高音域の声である。その声はとても中性的な声で、ふと耳を澄ますと男声と女声の両方の境界をゆらゆら漂っていて、つかみ所が無いんだけれども、どこからかはしんと聞こえてくる。まるで霞の向こう側から光が差し込んでくるかのようだ。