学会

今日は午前中本を少し読んで、学会へ。発表テーマは『ゴシック美術における天上への志向』と『ミラノの近代建築と『場所』性』。ゴシック美術に関してはまったくといって知識が無いので、知識を入れるためと思って発表を聞く。個人的には具体例として示された教会建築と当時のフランスにおける宗教的背景を説明して欲しかったが、それは学会レベルになると当然の前提知識なのかもしれないな。それともう1つ聞きたかったのは、今後の課題として挙げていた理論的導入部にあたるトマス・アクィナスの理論。トマス・アクィナスは個人的に知りたいというのもあったためでもあるけれども。ほかに理論的なものとしてはパノフスキーの論を挙げていたが、パノフスキーといえば、イコノロジーのイメージが強すぎてここまで頭が回らなかった。ただ、造型という事を考えれば当然だろうな。
次の近代建築についての発表は、ミラノという都市の場所性を三人の建築家を取り上げながら見ていく。その中でファシズムコルビュジェとの関連性を参考に取り上げるというものであったと思う。当然発表中はコルビュジェとの関連性を考えてしまった。実際に発表で提示された「フィジーニの家」はサヴォワ邸と酷似していると思ったら、やはり影響を受けていた。近代建築といったらやはり、コルビュジェ、ファン・デル・ローエ、ライトとなってしまうのだろうか。ただ、この三人だけでくくりきれるとは思ってないけれども、そこは自分の知識が足りないからしょうがないな。今回の発表は以前、立命館での学会時に発表があったイタリア・ファシスト政権下での建築、「白」に関してというような発表とかなり類似部分があったため予備知識があって助かった。個人的には冒頭で述べられた建築の「モダニズム」ということにもう少し言及が欲しかったのと、もう少しゆっくりしゃべって頂きたかった。正直聴き取れないところがかなりあった。特にミラノのヴァナキュラリティについてはもっと聞きたかったんだけれども…
今回の質疑応答は凄かった。質問者のかたがきちんと発表に基づいて意見を出されていた。内容はわからないにしても、逸脱せず、的確に質問をしているということくらいはわかる。久々によかった。