メディア論関係文献
- 作者: 佐藤卓己
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1998/09/28
- メディア: 単行本
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テレビの歴史に関係してパブリックスペース=公共空間についての言及もあった。それに関連して、ウディチコの作品を見る。
→http://www.ufer.co.jp/ufer/wodiczko/KWimg.html
モニュメントとなる場=原爆ドームを背景として、被爆を直接/間接的に体験された人たちの手とインタヴューを投影=projectionする。公共の空間に私的な存在を投影することで、公共空間となった場所を生々しく現在と結びつけて語る。モニュメント化=記憶化するのではなく、今と密接につながっていることを示す。
そのほかに感じたのが、こうして伝えられる「歴史」も操作されるということ。もちろん原爆の悲惨さについては、いたたまれないものがある。しかし、作品の成立過程を知り、こうしてある種歴史がリニア化される瞬間を目にすると、「歴史」というものの怖さをしる。本来は単線的ではないはずなのに、単線的に語られることで抜け落ちていくものが必ず存在するのだろう。