骨まで愛して
- 出版社/メーカー: パイオニアLDC
- 発売日: 2001/09/21
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鈴木清順のいわゆる「浪漫三部作」のうちの一つ。
サラサーテのツィゴイネルワイゼンのレコードが演奏されることから場面は開始する。このレコードの中に「どうも聞き取れない声」があることからストーリーが転回される。
原田芳雄演じる奔放な中砂に振り回される青地(藤田敏八)はやがて、いたるところで彼の影を感じるようになる。中砂の死後も、青地は彼の幻想から逃れることはできない。そして最後には、自分の現実と幻想の境界があいまいとなる。そのとき、自分の存在が幻想となり影であった中砂に飲み込まれることになる。
そのような状況の中で、原田演じる中砂が、血を吐かずに死んだ人間の骨は薄赤く染まるという話を聴き、芸者の腕の骨を愛撫するように見つめ続けるシーンがある。触ることで、見えないものを別の形で見ようとする。その瞬間、とてつもなく、エロティック。
スチールは荒木経惟。