医学関係のシンポジウムが開催されていたことを聞く。

美や感性を画像化したり、乳児に対して聴覚的な刺激を加えると視覚に相当する脳部位が反応するという発表があり、その中に人間の耳に関するものがあったらしい。細部は間違っているかもしれないが、自分の興味があった部分で詳しく教えてもらった内容の概要は以下の通り。

人間の耳は20kHz以上の音は聞こえない。でもそれは、実際に音として認識されないということであって、決して聞こえていないわけではない。詳しい年代は分からないがCDが発売される際、ミュージシャン側と音楽を心理的に研究する側でこの音域以上の音を削除するかどうかという議論もあった。こうした音域を入れようとしたのがミュージシャン側で、削除しようとしたのは研究側。結果的には削除の方向になったらしいのだが、そのときの決め手が、削除していない音源と削除された音源を聞き比べて、心的な反応に差異が見られなかったためであった。しかし、それは実験のときに用いられた時間の幅に原因があり、20kHz以上の音域を聞いたときに見られる心的な反応とそれ以外に見られる反応が、その時間間隔だと混同されてしまったためらしい。
こうした音域の中におさまるのが西洋の楽器なのだが、琴などのアジアの楽器はこの域を超えてしまうものも多い。
現在の人間は「聴覚」が反応する20kKz中で生活している。しかし、太古に人類の祖先が生活していたと考えられている熱帯雨林はこの音域以上の音が普通に存在しているとのことである。

またシンポジウムとは関係ないが、実際に物理的な痛みを感じる画像を見せると、痛覚=触覚を担当する脳の部位が反応するのも実際にあるとのこと。

感覚や感性の生理学的なあり方についてもっと聞いてみたい。チェックしておこう。