大学の書籍部で白水社のセール。これをきっかけにダニエル・アラスの著作を購入。

モナリザの秘密―絵画をめぐる25章

モナリザの秘密―絵画をめぐる25章

なにも見ていない―名画をめぐる六つの冒険

なにも見ていない―名画をめぐる六つの冒険

絵画への眼差しの問題に加え、重要に思えるのはアナクロニズム―時代錯誤―という概念。複数の時代、ひいては眼差しが一枚のタブローに混在することになる。こうしたアラスの概念に関しては、以前の「イメージの臨界」でも言及されており、個人的にもずいぶんと興味を引かれたものである。
複数の時間と眼差しの溶解、それらの位相のズレ。それを読み解いていくのがアラスの手法か。
アラスは西洋美術史だけではなく、シンディ・シャーマンやマーク・ロスコなどの現代アートについての著作も存在し、そのタイトルがまさに『アナクロニック』(未邦訳)。

これもついでに取り寄せておく。本の手触りが素敵である。個人的に読むかもしくは読書会などに使う予定。

論文関連でリーグル、ヴェルフリン、フォションなどをおさえていく中で、パノフスキーやアラスのほかに以前から読んでおきたかったヴァールブルクに関してもざっとではあるがこの際目配りをしておく。

アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮

アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮