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色彩の問題に関して、ドゥルーズ、カント、ゲーテのつながりが気になりだす。さらにここにはクレーリーの問題意識もかんでくるのではなかろうか。
ドゥルーズにおいて色彩の問題は重要な意味を持ち、特に『感覚の論理』において色彩論は展開されることになるのだが、この色彩論はゲーテのそれを受け継いで反ニュートン的色彩論(光学論)として展開される。ゲーテの色彩論は、色彩を評価しなかったカントへの反論という意味合いも持つ。こうしたことを考えるとドゥルーズのカント読解に関しても新たな面を見いだすことができるようにも思う。ドゥルーズはカントの<力>の概念に注目し、それを中心としてカント哲学の読み替えを行っているのだが、力―puissanceとforce―の概念はドゥルーズの哲学や芸術論で根底にあるものである。潜在性、潜在的なものという概念をベルクソンから受け継ぎ発展させたとしたら、力の概念はカントから、というのは言いすぎか。
こうした話は認識論的なレベルでの議論になり、クレーリーが言及する視覚の問題とも重なり合うのではないのだろうか。網膜残像のほかにもフリッカの問題やぎくしゃくの運動とも話が交差するような気もするのだが。また、こうした色彩の問題はhaptiqueの感覚や触覚論にもつながりを見せることになりそうである。ここまで議論を組み立てることができたら、オプアートを論じるための端緒が生まれるようにも思うのだけれども。ひとまず色彩論は数多くあれどゲーテとカントのあいだにショーペンハウアーの色彩論は入れておかないといけない。
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